Mリーグとは?競技麻雀のプロリーグ戦 – 選手やチーム・ルールなどについて解説

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Mリーグとは?

Mリーグとは、麻雀のプロスポーツ化を目的として、2018年7月に発足した競技麻雀のチーム対抗戦のナショナルプロリーグです。試合の様子は主にAbema TVで放送されており、野球のセ・パリーグやサッカーのJリーグの麻雀版といえるでしょう。

参加している選手はMリーガーと呼ばれ、各チームに4名ずつ、参加チームは8チームあるため計32名の選手が参加しています。レギュラーシーズンとファイナルシリーズがあり、優勝賞金5,000万円のほか、個人成績に関する表彰も設定されているので、チーム同士の争いだけでなく選手個人での成績の競い合いも見どころとなっています。

基本的なルールはアリアリの半荘戦で、一発・裏ドラ・赤ドラ3枚アリとなっており競技麻雀としてはドラが増えやすいルールになっています。

Mリーグの試合日程

Mリーグはレギュラーシーズン→セミファイナル→ファイナルシリーズと進み、各シーズンごとに下位のチームから脱落していく方式となっています。また、シーズンが切り替わるタイミングで前のシーズンのポイントを半分にして引継ぎます。

レギュラーシーズンは10月に開幕し基本的に毎週月・火・木・金に試合が行われます。翌年3月までレギュラーシーズンが続き、その後各2週間ずつ程度、セミファイナル・ファイナルと続きます。

セミファイナル以降の日程は年度によってまちまちですが、遅くとも6月までには行われ、2021年度は翌年2022年の3月後半から4月にかけて予定されています。

より詳細な日程は公式HPからご確認ください。

Mリーグの運営と理念

Mリーグの運営は一般社団法人Mリーグ機構であり、レギュラーシーズンは大和証券が、ファイナルシリーズは朝日新聞がそれぞれメインのスポンサーとなって開催されています。

麻雀は素晴らしいゲームですが、一方で賭博などの問題からマイナスのイメージもあります。この負のイメージを払拭し、麻雀の魅力を伝えていくことを目的にMリーグは設立されました。そこで、下記の理念が掲げられています。

  • 高度な頭脳スポーツとしての麻雀への認知の確立
  • 麻雀に対する負のイメージの払拭
  • 麻雀による世代間交流の促進と社会発展への貢献
  • 麻雀を通じた国際交流親善への寄与

Mリーグ公式HPより引用

そのため、選手に対しては最低年俸として400万円が保証されていますが、違法行為でもある賭博麻雀を禁止しており、関与が確認された場合には即解雇など厳しい処分が設定されています。また、チームごとにユニフォームがあり、対局時には着用が義務付けられています。

Mリーグのポイント計算方法

Mリーグでは対局終了時の点数と順位をポイント(p)に変換して順位を競います。基本は25,000点開始の30,000点返し、つまり30,000点以上はプラス(+)、未満がマイナス(▲)になります。

順位に応じて1位+50,000点、2位+10,000点、3位▲10,000点、4位▲30,000点が加算され、1000点につき1pとして少数点1位まで計算します。例えば、35,800点の2位だった場合、順位点を加えると45,800点で+15.8pの得点になります。

同点で決着した場合は順位点を分け合い、3名が同点のときは割り切れないため起家に近い方が多くポイントを獲得します。流局終了したときにリーチ棒が残っていたときはトップに加算され、同点決着の場合は順位点と同様に分け合います。

Mリーグの賞金や個人賞

Mリーグでは前述のポイントの累積で最終的な順位を決定し、チームごとに得られる賞金は優勝5000万円、準優勝2000万円、3位1000万円となっています。

個人賞も設定されており、毎年の規定打荘数20試合以上の選手を対象に、個人総合スコア、1試合での最多獲得スコア、ラス(最下位)回避率の3項目において各トップの選手が表彰されます。個人総合スコア1位を獲得した選手はシーズンMVPとしてガラス製のメダルが授与され、その他のタイトル獲得者には銀メダルが授与されます。

審判制度

Mリーグには審判制度があり、対局の進行や管理を審判が行っています(2021年11月現在、張敏賢、梶本琢程の2名が務めている)。規定されていないことや不測の事態が起こった場合でも最終的な決定権は審判にあり、試合の公平性を確保する制度となっています。

サッカーなどと同様にイエローカードが存在し、無発声や三味線行為などのマナー違反や遅延行為に対して与えられます。当日のみ累積し、2枚累積するとレッドカードとなり個人ポイントから20pマイナスされます。

この20pマイナスはチョンボと同様の罰則で、Mリーグにおける罰則はこれらの他にアガリ放棄や口頭による注意があります。

Mリーグスタジオ

Mリーグを行うために東京都港区浜松町に作られた専用スタジオがMリーグスタジオです。公式戦の全ての試合はこのMリーグスタジオで行われ、麻雀の対局の配信に適したカメラ配置や技術が導入されています。

対局フロアの上階に4部屋のロッカールームや実況席、審判席、メイクルームなどを備えており、選手が快適に過ごせるようになっています。

ときおり、Mリーグの公式戦以外の麻雀の対局にも使用されています。

Mリーグのルール

基本となっているのはアリアリの半荘戦で、一発・裏ドラ・赤ドラ3枚(萬子・筒子・索子に各1枚ずつ)があります。主なルールをまとめましたが、詳細は公式HPに細部まで規定されています。

  • 途中流局無し
  • トビ無し
  • 5回目のカンはできない
  • カンドラ即めくり
  • 暗カンのチャンカンは成立しない
  • フリテンリーチ・ツモ番無しリーチあり
  • ダブロン無し、頭ハネ採用
  • 30符4飜(60符3飜)は子8000点、親12000点(切り上げ満貫)※ハン数は場ゾロ込み
  • 役満の複合あり
  • 数え役満無し
  • パオあり:大三元・大四喜・四槓子
  • Mリーグにおける罰則

    Mリーグにはチョンボ・アガリ放棄・イエローカード・レッドカードの4種類の罰則があります。対象となる行為は以下の通りです。

    • アガリ放棄:多牌・少牌・先ヅモ・喰い替え・空行為・錯行為
    • 誤ロン・誤ツモで手牌を公開した場合はチョンボ
    • ノーテンリーチ、リーチ後の不正なカンは流局時にチョンボとなる
    • チョンボがあった局はやり直し

    Mリーグの採用役

    • 1飜役:門前清自摸和・立直・一発・役牌・平和・断么九・一盃口・海底摸月・河底撈魚・槍槓・嶺上開花
    • 2翻役:ダブル立直・ダブ東・ダブ南・対々和・三暗刻・三色同刻・三槓子・小三元・混老頭・三色同順・一気通貫・混全帯么九・七対子
    • 3翻役:二盃口・混一色・純全帯么九
    • 6翻役:清一色
    • 役満:天和・地和・国士無双・四暗刻・大三元・字一色・緑一色・小四喜・大四喜・清老頭・四槓子・九蓮宝燈

    Mリーグのチームと選手

    2021年現在、Mリーグには全8チームが参加しており、各チーム4名ずつ計32名の選手がいます。選手はMリーガーと呼ばれ、各チームはプロ野球などと同様にドラフトや移籍で選手を獲得します。

    同一の選手構成で2シーズン連続ファイナルシリーズに進出できなかった場合、翌シーズン最低1名の選手を入れ替える、というルールが2021年度シーズンから適用され、今後もより多くの選手が参戦すると予想されます。

    チーム選手
    セガサミーフェニックス魚谷侑未(連盟)近藤誠一(最高位戦)茅森早香(最高位戦)東城りお(連盟)
    U-NEXT Pirates小林剛(麻将連合)朝倉康心(最高位戦)石橋伸洋(最高位戦)瑞原明奈(最高位戦)
    TEAM RAIDEN/雷電萩原聖人(連盟)瀬戸熊直樹(連盟)黒沢咲(連盟)本田朋広(連盟)
    KONAMI 麻雀格闘倶楽部 佐々木寿人(連盟)高宮まり(連盟)伊達朱里紗(連盟) 滝沢和典(連盟)
    赤坂ドリブンズ 園田賢(最高位戦)村上淳(最高位戦)鈴木たろう(最高位戦)丸山奏子(最高位戦)
    渋谷ABEMAS多井隆晴(RMU)白鳥翔(連盟)松本吉弘(協会)日向藍子(最高位戦)
    KADOKAWA サクラナイツ内川幸太郎(連盟)岡田紗佳(連盟)沢崎誠(連盟)堀慎吾(協会)
    EX風林火山二階堂亜樹(連盟)勝又健志(連盟)松ヶ瀬隆弥(RMU)二階堂瑠美(連盟)

    ※カッコ内は所属競技麻雀プロ団体を表し、(最高位戦)=最高位戦日本プロ麻雀協会、(連盟)=日本プロ麻雀連盟、(協会)=日本プロ麻雀協会で表記しています。

    過去の成績

    2018年度

    • 優勝:赤坂ドリブンズ
    • 準優勝:EX風林火山
    • 3位:渋谷ABEMAS
    • 個人スコア:多井隆晴(476.3p)
    • 平均打点:茅森早香(7,873点)
    • 4着回避率:滝沢和典(0.90)

    2019年度

    • 優勝:U-NEXT Pirates
    • 準優勝:セガサミーフェニックス
    • 3位:渋谷ABEMAS
    • 個人スコア:魚谷侑未(451.4p)
    • 最高スコア:魚谷侑未(94,400点)
    • 4着回避率:近藤誠一(0.9545)

    2020年度

    • 優勝:EX風林火山
    • 準優勝:KADOKAWA サクラナイツ
    • 3位:渋谷ABEMAS
    • 個人スコア:佐々木寿人(494.1p)
    • 最高スコア:佐々木寿人(94,000点)
    • 4着回避率:小林剛(0.9677)

    Mリーグの放送や配信

    試合日にはAbema TVの麻雀チャンネルで、基本的に平日は19:00から、土日祝は17:00から中継配信されています。2021年11月現在、実況は小林未沙、松嶋桃、日吉辰哉の3名が行っており、解説には渋川難波・土田浩翔などプロ雀士や、その日試合のないMリーガーが入っています。

    Abema TVのプレミアム会員になると過去配信のアーカイブを視聴できます。また、過去にはスターライズタワーかベルサール六本木で有料のパブリックビューイングが行われていましたが、現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止されています。今後の再開に期待したいですね。

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