平和(ピンフ)とは?4つの成立条件・ツモやロンの点数計算の注意点 – 麻雀1翻役

門前役

麻雀の平和

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平和(ピンフ)とは

平和(読み方:ピンフ)とは、メンゼンで4つの面子がすべて順子かつ雀頭が数牌または客風牌(オタ風)であり、テンパイの形が両面(リャンメン)待ちのときに成立する1翻役です。メンゼンであることが条件に含まれていることから、鳴き不可の役です。

平和は成立条件がやや複雑ですが、巡目が進み手牌を整えていたら気付かないうちに出来上がっているということも少なくありません。

平和に関する基本情報一覧

  • 平和の翻数:1翻
  • 平和の出現確率:19.9%
  • 食い下がり: – (鳴き不可)

平和の成立条件

平和(ピンフ)の成立条件は大きく分けて4つあります。

  1. 門前(メンゼン)であること
  2. 4つの面子がすべて順子(シュンツ)であること
  3. 雀頭が数牌または客風牌(オタ風)であること
  4. 聴牌形が両面(リャンメン)待ちであること

それでは、ピンフのそれぞれの条件について詳しく見ていきましょう。

平和の条件1「門前である」

ピンフは鳴き不可の門前役です。そのため立直と組み合わせて使用することが多くなりますが、黙聴(ダマテン)から平和のみのロン和了やツモ和了も可能です。

また、リーチ・ピンフに加えてタンヤオも複合することが多く、この3つを組み合わせた和了形をメンタンピン(「メンゼン」・「タンヤオ」・「ピンフ」の略)と呼ぶことがあります。

平和の条件2「4つの面子がすべて順子である」

麻雀では七対子国士無双の特殊なケースを除き、アガり形は「4面子+1雀頭」となります。2番目はその面子(メンツ)に関する条件です。

面子には大きく分けて順子刻子槓子の3種類があります。ピンフでは4つの面子がすべて順子、すなわち一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国五筒:麻雀王国六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国のような形でなければいけません。

平和の条件3「雀頭が数牌または客風牌(オタ風)である」

こちらは雀頭についての条件です。雀頭が数牌である場合は全く問題ありませんが、字牌を用いる場合は客風牌(オタ風)であることが条件となります。また、三元牌と呼ばれる白・發・中も使えません

客風牌とは?四風牌東:麻雀王国南:麻雀王国西:麻雀王国北:麻雀王国の中で場風にも自風にもならないものを指し、オタ風とも呼ばれます。例えば、東場で自分が西家の局では南:麻雀王国北:麻雀王国がオタ風に該当します。
オタ風についてさらに詳しく知りたい方はこちら

4. 聴牌形が両面待ちであること

平和は、役そのものに聴牌形の制約があるという珍しい役です。これまでの3つの条件を満たしていても、カンチャン待ちやペンチャン待ちなどでは平和が成立しないので注意しましょう。

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平和と複合する相性の良い役

断么九(タンヤオ)

1,9以外の数牌のみで構成される断么九(タンヤオ)は、立直(リーチ)と共に平和と複合することが非常に多い役であり、この3つを組み合わせた和了をメンタンピンと呼ぶことがあります。

メンタンピンのロン和了+ドラ1枚で満貫となり(30符4翻を満貫とする場合)、平和は構成牌種の多さから裏ドラが比較的のりやすいとされているため、タンヤオ・ピンフを聴牌した場合即リーチを打つのも有効でしょう。

一盃口(イーペーコー)

全く同じ組み合わせの順子2つを含む一盃口(イーペーコー)を狙う際、残り2つの面子を順子にしてしまえば平和との複合も狙えます。

一気通貫(イッキツウカン)

同種類の数牌を1〜9まで使用する一気通貫では既に3つの順子が完成しており、あと一つの面子を順子にすることで平和との複合が狙えます。一気通貫は鳴いても食い下がりを条件に成立しますが、平和は門前であることが条件に含まれているため注意しましょう。

平和が成立しない例

自風・場風の牌を雀頭にしている

例1:東場・西家で以下の手牌の場合

一萬二萬三萬五萬六萬七萬六筒七筒二索三索四索西西

アガり牌:八筒

この例では門前・4つの順子・両面待ちであることは満たしていますが、自風の西を雀頭にしているため、平和は成立しません。

両面待ちでない聴牌形

例2:以下の手牌の場合

一萬二萬三萬五萬六萬七萬六筒七筒八筒二索三索四索五索

アガり牌:二索

この場合、五索の他に二索も待ちに含まれます。一見両面待ちのようにも見えますが、これはノベタンと呼ばれる単騎待ちの一種となり、平和は成立しません。


例3:以下の手牌の場合

一萬二萬三萬五萬六萬七萬六筒七筒八筒三索三索三索四索

アガり牌:四索

これは特殊な3メンチャンで、待ちは二索・四索・五索という聴牌形です。この場合、大きく分けて2種類の聴牌形が考えられます。

  • 三索2つを雀頭、三索・四索の搭子(ターツ)とみなして二索・五索の両面待ち
  • 三索3つを暗子とみなして四索の単騎待ち

二索・五索での和了は平和が成立しますが、四索では成立しないため、平和のみでアガろうとしている場合は特に要注意です。

平和の点数計算の際の注意点

点数計算の面から4つの成立条件を振り返ってみると、全てのアガり条件において符数の加算がつかないことがわかります。これは「平たい和了」という由来でその名がついた役ならではの特徴といえます。

ロン和了の場合

門前でのロン和了の際、副底20符に加えて10符の加算がされます。これは平和のときも同様であり、門前であることが条件に含まれている平和ではロン和了の際に符数が必ず30符になります。

平和をロン和了した場合の点数計算例

1翻30符2翻30符3翻30符
和了例平和のみ立直+平和立直+断么九+平和
(メンタンピン)
親の場合1500点2900点5800点
子の場合1000点2000点3900点

ツモ和了の場合

ツモ和了をした際に通常では2符の加算がされますが、例外として平和のツモ和了ではツモ2符の加算がされません。

また、そもそも符の加算を認めないとして平和とメンゼンツモの複合を認めないルールも存在していて、20符固定を条件として平和とメンゼンツモの複合を認めるルールをピンヅモあり、認めないルールをピンヅモなしと呼ぶこともあります。一般的にはピンヅモありとすることが多いですが、不安があるときは事前に確認しておきましょう。

平和をツモ和了した場合(ピンヅモあり)の点数計算例

2翻20符3翻20符4翻20符
和了例平和+メンゼンツモのみ立直+平和+メンゼンツモ立直+平和+断么九+メンゼンツモ
親の場合700点オール1300点オール2000点オール
子の場合400-700
(子から400点・親から700点)
700-1300
(子から700点・親から1300点)
1300-2600
(子から1300点・親から2600点)

平和に関するよくある質問

一萬・四萬・七萬待ちなどの多面待ちでも成立しますか?

最終的なアガりの形が両面待ちであれば成立します。待ち牌の種類が多くても、ノベタンの形やアガリの形に暗刻が含まれる場合は成立しないので気をつけましょう。

雀頭が字牌でも成立しますか?

四元牌のうち、場風・自風でないもの(オタ風)を使用するには問題ありません。鳴いて役牌(ヤクハイ)が成立しないものと覚えると良いでしょう。

平和のみでロンをしてアガれますか?

ロンは鳴いている扱いにならないため、平和のみのロンでアガれます。もちろん、リーチをかけていなくても問題ありません。

平和で覚えておきたいポイントまとめ

最後にもう一度平和の4つの成立条件を整理しておきましょう。

  • 門前であること(鳴き不可)
  • 4つの面子がすべて順子であること(刻子・槓子を含まない)
  • 雀頭が数牌または客風牌(オタ風)であること(役牌は使えない)
  • 聴牌形が両面待ちであること(カンチャンやペンチャン等は不可)

麻雀を始めたての頃は必ず平和という役の壁にぶつかることかと思います。しかし、慣れてしまえば積極的に狙っていける役であるのでしっかりと頭に入れておきましょう。また、見落としがちな待ちの形(特に多面張のとき)や雀頭の種類(字牌を使う場合)なども要注意です。

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