嶺上開花(リンシャンカイホー)とは?名前の由来や発生確率・ローカル役など – 麻雀1翻役
嶺上開花(リンシャンカイホー)とは
嶺上開花(読み方:リンシャンカイホー)とは、カンをした際に王牌の定められた場所からツモる嶺上牌(リンシャンハイ)で和了できるときに成立する麻雀の1翻役です。嶺上開花は略して「リンシャン」と呼ばれることが多く、別名として「リンシャンツモ」とも呼ばれることがあります。
名言も多い麻雀漫画『咲-saki-』にて、主人公である宮永咲の得意技として頻繁に登場することでも有名なため、麻雀にあまり詳しくない方でもご存知かもしれません。
嶺上開花に関する基本情報一覧
- 嶺上開花の翻数:1翻
- 嶺上開花の出現確率:0.28%
- 食い下がり:なし (鳴き可)
嶺上開花の成立条件
- テンパイしている状態であること
- カンをして、嶺上牌が自分のアガれる牌であること
嶺上開花ではカンの種類(暗槓・明槓・加槓)は問いません。三麻(3人麻雀)で抜きドラを採用している際、北を抜いた後にツモる牌を嶺上牌とし、嶺上開花の成立条件に含めるルールもあります。
名前の由来
嶺上開花をそのまま読み下すと「嶺の上で花が開く」となり、そのような情景が語源となり、そのまま役の名前になったと考えられています。嶺上開花は別名で「嶺上開放」などと書くことも。また、中国語では「杠上开花」と表され、英語では「Dead Wall Draw」「King’s Tile Draw」などと呼ばれるそうです。
嶺上開花で点数計算する際の注意点
嶺上開花はツモ和了となるため通常では符計算時に2符が加算されますが、一部ではこれを加算しないルールも存在します。
海底摸月や嶺上開花でツモ符を考慮しないというルールは、中国麻雀に由来するようです。
大明槓にて嶺上開花を和了した場合にカンをさせた者の責任払いとする取り決めもあります。対局前にしっかりと確認しておきましょう。
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嶺上開花と複合する役・しない役
門前清自摸和(メンゼンツモ):複合する
前述のとおり、嶺上開花は門前の状態で暗槓した際に成立した場合のみ、ツモすなわち門前清自摸和(メンゼンツモ)と複合します。
このようにメンゼンツモとは複合する可能性がありますが、暗刻の形を含まない平和(ピンフ)や二盃口(リャンペーコー)とは複合し得ません。
海底摸月(ハイテイツモ):複合しない
海底摸月(ハイテイツモ)は海底牌でツモ和了をすると成立する役ですが、海底牌ではカンをすることができないというルールのため、嶺上開花と複合することはありません。
一発(イッパツ):複合しない
一発(イッパツ)では、リーチ後1巡以内であることに加えてその間に副露やカンが介入しないことが条件です。よって、嶺上開花とは複合できません。
嶺上開花に関連するローカル役
連開花(レンカイホー)
連開花は、カンを連続で行った際の嶺上牌で和了した場合を2翻役とするもの。「連槓開花(レンカイカイホー)」「槓々和(カンカンホー)」などとも呼ばれます。
五筒開花(ウーピンカイホー、ウートンカイホー)
五筒開花は五筒の柄を花に見立てた古役であり、嶺上開花を和了したときの嶺上牌が五筒であった場合を満貫役として扱うものです。
頭槓和(トウカンホー)
頭槓和は第1巡目にカンをして、その嶺上牌で和了した場合を役満扱いとするローカル役です。大明槓では認めなかったり、親の配牌時点での暗槓でのみ認めるなど、少々定義に揺れがあるようです。
槓振り
槓振りとは、他家がカンをした直後の打牌で自分がロン和了をした際に1翻プラスされるというローカル役です。
“自分がカンをして(嶺上牌で)ツモ和了"する嶺上開花と"他家がカン(加槓)した牌で和了"する槍槓が混同して生まれた役という説があります。
嶺上開花に関するよくある質問
嶺上開花のみでアガることはできますか?
嶺上開花における槓ドラ(槓裏)の扱いはどうなる?
暗槓から嶺上開花を和了した場合は必ず槓ドラが反映され、門前ツモの場合はその裏ドラも見ることができます。一方、明槓では打牌後に槓ドラをめくるルールと、暗槓同様にカンをした直後に槓ドラをめくるルールが両方存在するため、嶺上開花を和了する際には確認を行いましょう。
親の配牌から暗槓をした嶺上牌で和了した場合、天和(テンホー)は成立しますか?
成立しません。暗槓をした時点で天和の成立条件から外れてしまうため、メンゼンツモ・嶺上開花が付く通常のアガりになります。
嶺上開花で覚えておきたいポイントまとめ
最後に、改めて嶺上開花を和了する際の条件や手順をおさらいします。
- テンパイしている状態でカン(種類は不問)
- 王牌の端から嶺上牌をツモる
- その嶺上牌で和了することができるとき、「ツモ」と宣言して嶺上開花が成立(他に役がなくてもOK)
嶺上開花は偶然役の一つではありますが、カンをすることによって槍槓を狙われる危険性があったり、ドラを増やすことは相手の打点を上げることにも繋がりかねません。
嶺上開花のみならず、カンという行為がいかにハイリスクハイリターンであるかが伺えます。